【関東ボーイズ試合結果】

２年生の川口が圧巻の投球を見せる。

公式戦初先発の川口（2年）は、初回から丁寧なピッチングで低めに集め、強力・八王子打線をねじ伏せる。前回大会で背番号「1」を任された中西（3年）の不調により巡ってきたチャンス。同級生の妻倉（2年）や小松（2年）が公式戦デビューをする中、なかなかチャンスに恵まれず悔しい想いをした男の堂々とした姿がそこにあった。

そんな後輩の姿を見て先輩が奮起。2回、先頭の内川（3年）がヒットで出塁、さらに盗塁でチャンスを広げると、続く安藤（3年）のバントを相手チームのエラーが絡み内川が先制のホームを踏む。続く3回、一死から1番キャプテン黒坂（3年）がレフトスタンドへ特大ホームランを放ち好投を続ける川口に大きな追加点をプレゼントした。

しかし、4回に2番清水（八王子）に高めに浮いたストレートをレフトスタンドに運ばれ一点差に迫られ、さらに、5回も先頭の羽田（八王子）に三塁打を打たれる。誰もが同点を覚悟したが、ここでビッグプレーが飛び出した。女房役の針谷（2年）が完璧な送球で三塁走者をアウトにし、ピンチを凌ぐ。試合は両投手、両チームの好守もあり緊迫したまま最終回。一死から安藤が四球で出塁、川口もヒットで続き、二死一・二塁のチャンスに「23」を背負った中西が打席へ。只ならぬ思いを胸に打席へ向かうも、八王子も負けられない。意地のぶつかり合い。打球はライトへ。落ちるか。捕られるか。しかし、ライトの好守に阻まれ、1点差のまま川口が最終回のマウンドへ。

先頭を死球で出塁させると、一死から四球、安打と満塁のピンチを背負う。
勝ちたい想いがプレッシャーになったのか。まさかのバッテリーエラーで同点にされ、ピンチは続く。耐えられるのか、それとも。川口が投じた81球目。無情にもボールは三塁手井上（2年）の前へ。三塁ランナーはスタート。スクイズだった。

試合後、長井監督は「今日の試合の反省ではなく、この日までの生活、練習への姿勢をしっかりと見直すことが大切。今日、変われない選手は明日になっても変われない。最後のチャンス」と振り返った。